「語学力が中級レベルでも海外の企業で働けますか?」という質問をたまに受ける。
中級レベルというのが具体的にはどのレベルをさすのか、そして海外企業がどのジャンルの企業をさすのかで話はかなり変わってくるが、僕の体験をベースにこの質問に答えてみたい。
僕の具体的な語学力
僕の使える外国語は英語とフランス語でレベルはともに中級だと思う。
では、中級の中でも具体的にどのレベルなのか分析してみる。
英語
英語の試験の結果だけでいうなら、大学2年次にTOEICを受け、650点前後でその後、大学用のTOEFLを受け、550点だった。それ以降は英語の試験は一切受けていない。ちなみに、英語学部の卒業ではなく、
経歴でいえば、大学卒業後にハンガリーのIT企業に就職し、1年間日英の通訳や翻訳をやり、上司からはそれなりに仕事を評価してもらった。
社内の公用語は英語で会議なども英語で行われたが、仕事で英語が理解できないなど言語の壁にぶつかることはほぼなかった。
その後、ハンガリーのゲーム会社に移り、日英の翻訳とテスターとして働き、同じく同僚とのやり取りは英語だったが問題はなかった。
そして、現在はハンガリーのIT企業でフランス語のカスタマーサービスとして働いているのでメインの言語はフランス語だが、上司とのやり取りや会議では英語を使う。が、今のところこれといった問題はなくスムーズに仕事をこなせている。
最後に自分の英語力を5点満点で自己評価すると・・・
書く:3
読む:1
聞く:2
話す:3
フランス語
大学入学時に主専攻としてはじめたフランス語。大学3年次から4年次までフランスに留学していたが、留学生活になじめずフランス語をやめ、イタリア語を勉強するなどしたため、語学力はそこまで伸びず。
ただし、大学在学時は学内にいたフランス人の留学生と仲良くなり、フランス語で会話をしたり、フランス語のプライベートスクールに約1年通うなどして自主的にフランス語を勉強した。
フランス語検定は準2級を大学2年次に取得し、それ以降は受けていない。
現在は、ハンガリーのIT企業でフランス語のカスタマーサービスとして主に電話でフランス語を使い、ユーザーと話し、彼らのIT製品に関する相談を聞き、トラブルシュッティングをしている。
フランス人だけでなく、モロッコ人やチュニジア人ともフランス語で話す。
時折、相手が言っていることがわからないこともあるが今のところはそれなりに仕事ができている。
最後に自分のフランス語力を5点満点で自己評価すると・・・
書く:3
読む:1
聞く:2
話す:4
英語、フランス語ともに読む能力が著しく低いと理解している。
翻訳やメールをするときはGoogle翻訳を使い、一度ある程度の意味を理解してから取り掛かるようにしている。
海外企業といってもいろいろな企業がある
海外企業で働きたいといってもいろいろな企業がある。
例えば、海外のレストランでコックとして働きたければ語学力はそれほど重視されずむしろ経験を求められるが、接客であればそれなりの語学力は要求される。
また、僕のようにIT企業で働きたければ最低限のIT関連の用語や知識は要求される。
会計士として働きたければ外国語で書類を正確に読み、書ける能力が必要になる。
このように海外で働きたいといっても働く場所によって必要になるものが違ってくる。
なので、自分がどの分野で働きたいかをまずはしっかりと考える必要がある。
語学力が中級レベルでも海外の企業で働けるのか?
僕のように語学力が大学受験レベルに毛が生えた程度だと仮定して、改めて冒頭の質問に答えると、僕は十分働けると思う。
もちろん、先ほど書いたとおりどの分野で働くかによって話は変わってくるが、特殊な能力を必要としない分野であれば十分可能だと思う。
僕はIT企業で働いているが、もともとITの深い知識があったわけではない。
一般の人と同じようにパソコンやタブレットを使っているだけで、インターネットの使い方やメールの送り方は知っているが、Outlookが開かなくなった際にどうすればいいのか、アカウントがロックされた場合にどうすればいいのかなどITのカスタマーサービスに必要な知識はまったく持っていなかった。
それらは研修で教わるので問題ないし、2ヶ月も働けば自然となれる。
極論をいってしまえば、働けるか働けないかはその人次第だと思う。
どんなに高い語学力があっても仕事の能力が低かったり、性格に問題があって同僚といい関係を築けなければ海外では解雇される。
なので、もしも海外就職を語学力が原因で迷っているなら思い切って挑戦してみることをおすすめする。
語学力は現地で3ヶ月も暮らせば自然と鍛えられる。