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手塚治虫の『アドルフに告ぐ』は1度は読んでおくべき最高傑作だ!

 

 

アドルフに告ぐ

 

作者:手塚治虫

ジャンル:歴史漫画(フィクション)

ページ:258

巻数:全5巻

出版社:講談社

出版日:1996/06/14

価格:648円

Kindle版:あり(324円)*Kindle Unlimitedに加入していれば全巻無料

 

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第2次大戦中のドイツと日本を舞台にヒトラーの出生の秘密を巡る物語

 第二次世界大戦前後のドイツにおけるナチス興亡の時代を背景に、「アドルフ」というファーストネームを持つ3人の男達(アドルフ・ヒットラーアドルフ・カウフマンアドルフ・カミルの3人)を主軸とし「ヒトラーユダヤ人の血を引く」という機密文書を巡って、2人のアドルフ少年の友情が巨大な歴史の流れに翻弄されていく様と様々な人物の数奇な人生を描く。(Wikiより)

 

作品中の歴史認識に関しては僭越ながら僕と手塚先生との間に特に日本に対する描写や説明にかなりの隔たりがあり納得できない部分は多かったのだが、ストーリーはよく作り上げられており青年漫画としても十分楽しめる。

 

本作では戦争の悲惨さはもちろん描かれているが、それ以上に‟人種”というものが大きなキーワードになっている。

 

大戦中のユダヤ人xドイツ人という人種の問題もそうだが、日本人xドイツ人、日本人xユダヤ人などの人種の違いに関する描写や説明も多く描かれている。

 

また、この作品には日本人とドイツ人のハーフの青年が主人公の1人として出てくるのだが、彼は途中で自分がなに人なのか自身のアイデンティティーに強く悩むようになる。やがて、彼はドイツ人の父親にドイツの学校に入学させられ、そこでヒトラーの思想などを教え込まれドイツ人としてのアイデンティティーを強く意識していくようになる。

 

そして、ドイツ人の父が死に彼の母親が日本人男性と再婚し国籍も日本人に戻すとそれに対して強く反発している描写もある。

 

この辺のハーフの人が抱く自身のアイデンティティーやナショナリティーへの葛藤は現代にも通ずる問題である。

 

 

ドイツ人に虐殺されたユダヤ人が今イスラエルで行っていること

 

最終巻となる第5巻の最後の数章では第2次大戦後の世界が描かれている。

 

そこにはユダヤ人国家イスラエルの建国がメインになっており、イスラエル建国を巡るユダヤ人とパレスチナ人(アラブ人)たちの争い(パレスチナ問題)がテーマになっている。

 

一般的にユダヤ人=ナチスに虐殺された民族というイメージが強いが大戦後、イスラエル建国を巡ってユダヤ人も多くのパレスチナ人たちを虐殺しているのを知っている人は少ないのではないだろうか。(ガザ侵攻やガザ大虐殺)

 

これらが『アドルフに告ぐ』の最後で描かれていて、その章を読んだときになぜこの漫画が多くの人に今でも支持されているのかその理由が分かった気がする。

 

 手塚先生はこの漫画でドイツの蛮行やユダヤ人の悲劇を描きたかったわけではないと思う。最も伝えたかったことは「争いは永遠に終わらない人類の悲劇なんだ」ということだと考える。

 

あれだけ虐殺されたユダヤ人たちも自分たちの利益を巡って別の人種を虐殺するようになる。それは国同士だけの関係ではない。身近なところで学校内での人間関係でも同じことがあると思う。たとえば、いじめられっ子がいじめっ子になったり。

 

誰もが平和を望むけど人類皆が平和になることはないと思う。

 

この漫画からは手塚先生からのそんな諦めのようなものも感じることができる。

 

 

 

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