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ひろゆきさんの動画から見るフランス語通訳者の凄さ

 

2チャンネルの開設者で現在はフランスに住んでいるひろゆきさんがフランスの歴史人口学者のエマニュエル・トッドさんにインタビューをする動画を見た。

 

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エマニュエル・トッドさんの著書はいくつか読んだことがあり、この人の意見には賛成できないこともあるが考え方や着眼点は面白いと思う。このインタビューも非常に興味深かった。

 

しかし、それ以上に僕の目を惹いたのは通訳の方だった。

 

おそらくプロ歴が長い通訳の方だと思うのでフランス語の発音や言い回しはもちろんネイティブレベルだった。また、政治や社会に関することがテーマだったのでルペンやマクロン、メランションといった政治家の名前やFNといった政党の名前、また極右や極左などの専門用語も当然ながらインプットされていた。

 

僕がすごいと思ったのはプロとしては当たり前であろう発音や語彙力ではなく、この通訳の方の日本語力だった。

 

エマニュエル・トッドさんのフランス語、しかも政治や社会に関する難しいフランス語を非常に自然でかつ明確な日本語に通訳してあってとにかくびっくりした。

 

僕も日本語と英語間の通訳を仕事でしたことがあるが、日本語から英語に訳すのはそれほど難しくないが、英語から日本語に訳すのは難しい。というのも、相手が言ってきた英語を間髪入れずに自然な日本語の文章にするというのは容易なことではないからだ。

 

そういえば、浪人時代に出会った予備校の英語の先生は「英語を訳すときは日本語の美しさを考えろ」と常々言っていた。大学時代のフランス語の先生も同じことを言っていた。

 

自分が外国語を使って通訳や翻訳の仕事をするようになってこの意味がよく分かるようになった。

 

外国語を勉強するようになるとどうしても外国語にだけ集中しがちだが、日本語も同時に鍛錬しなければならない。特に通訳や翻訳など2つの言語を使う場合はなおさらである。

 

僕もプロを目指す以上は英語やフランス語力だけでなく、日本語力ももっとつけていきたい。

 

そういえば、以前安倍総理プーチン大統領の会談の動画を見たが、その時にプーチン大統領の通訳者にびっくりした。顔はわからないが、声からしてロシア人であろう。

日本語のレベルが驚くほど下手であった。僕が説明するよりも動画を見た方が早いだろう。こんなレベルで大統領クラスの通訳者になれるのかとある意味うらやましく思った。

 

youtu.be

 

2018年4月23日追記

この通訳の方は大野舞さんという方のようで「中学、高校をフランスの現地校で過ごし、日本で社会学修士号取得。東京でIT営業になるも、社会人類学の博士課程に進学するため退職。ところがそこで双子を妊娠し、現在子育てをしながらパリにある出版社に務める」という経歴をもっているようである。

 

なるほど、中学高校とフランスで過ごし、現在はフランスの出版社に勤めているというのだからフランス語がこれだけ話せるのは当然だが、同時にこれだけ的確な日本語訳ができるのは言葉を扱う出版社に勤めているからだろうか?