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世の中はおもしろい出来事であふれている

タイトル(仮)2

2.

 ポラリスが空の国から落ちたその日、軍の内部はひどく混乱していた。1つは空の国の王が死去したこと。そして、もう1つは軍の幹部の2人、レグルスとリゲルの対立が決定的となり内戦が起きる一歩手前の状態になったことだ。しかし誰もまだポラリスが空の国から地上の国に落ちたことはしらなかった。

 レグルスの側近の1人カストルポラリスのニュースが彼の耳に入らないことを心の底から願った。もしも、耳に入れば激怒することは間違いないだろう。そうなればどんなペナルティーが待ってるかわからない。レグルスは軍の中でもっとも厳しい幹部だった。

 カストルはレグルスがいるであろう王立議会の光の間に向かった。さりげなくポラリスのニュースをすでに知っているか確かめるためだった。

 予想通りレグルスはそこにいた。

 「カストルか。今は忙しいんだ。急ぎの用事でなければ後にしてくれ」

 カストルを見つけるとレグルスは氷のように冷たい声でそう頼んだ。声の感じや態度を見る限りポラリスの件はまだ耳に入っていないようだ。カストルは少し安心して、わかりましたと告げて光の間を後にしようとドアに向かった。

 「待て、カストル。お前なにか隠してるな?」

 レグルスの氷のように冷たい声と刃物のように鋭く力強い視線は背中からでも十分に伝わった。カストルは平静を保ちながら何も隠していませんと答えた。レグルスはわかったと言った。カストルは早くこの場を離れたかった。だから、足早にドアに向かった。そしてドアノブに手をかけた。しかし、次の瞬間レグルスの言葉がカストルを硬直させた。

 「ポラリスはどうしてる?奴の謹慎はもうすぐでとけるはずだ。たいした戦力にはならないがいないよりはましだ」

 カストルはどう答えようか脳をフル回転させた。この人の前ではうそは通用しない。かといって本当のことを言えば何が起こるかわからない。

 「いえ、僕も最近ポラリスとは会っていなかったのでわかりません」

 結局、うそをついた。しかし、一番当たり障りのないうそだ。

 レグルスがなにか言おうとする前にカストルは緊急の呼び出しが入ったので行かなければなりませんと伝え、部屋を出た。

 おそらくポラリスのことがレグルスの耳に入るのは時間の問題だろう。その前になにか対策を考えなければ。カストルは足早に軍の情報管理塔に向かった。ひとまずここでポラリスに関する情報が入っているかを確認しもしも入っていればその情報を凍結させてしまおう。そう考えた。