実は僕は昨年、4ヶ月間ほど起業したばかりの小さな映像会社で通訳と翻訳の正社員として働いていました。
社員は日本人が1人(社長)とハンガリー人が2人(カメラマンとドライバー)、そして僕の4人でした。
もともとこの日本人の方(ここでは便宜上Aさんと呼びます)には日本語が話せるハンガリー人の社員がいたようなのですが、金銭トラブルが原因で解雇したようで日本語と英語が出来る通訳と翻訳を探していた時にちょうど僕のブログを発見してくれたようで、連絡をもらい会うことになりました。
その当時、僕はハンガリーのIT企業で働いていたのですが、かなりゆるい会社だったのでこの会社での仕事が終わり手持ち無沙汰と時はAさんから依頼されたメールや書類の翻訳をやっていました。また、仕事が終わった後はAさんとハンガリー人の社員の2人の会議に参加し、通訳をしていました。
そういう状態が2ヶ月ほど続いていたときに、働いていたIT企業から契約を更新したいという知らせを受けました。ですが、新しい給料に満足できずに退職。Aさんの会社にビザを発行してもらい正社員として働くようになりました。
Aさんの会社では様々なヨーロッパの国で撮った映像をオンラインで販売するという業務をしていました。なので、月に1回は他のヨーロッパの国に出張もしました。
起業したばかりの会社で認知度もほとんどなかったので最初の1-2ヶ月の売り上げはよくなかったですが、積極的に宣伝広告を出したり、ネットメディアのインタビューに出るようになると少しずつ顧客が増えるようになり、会社は軌道に乗り始めました。
しかし、そんな矢先に会社は終了してしまいます。
原因は、リスクが大きいことでした。
海外で映像を撮って販売する場合、その国に応じた法律があります。単に通りを撮っていてもそこに通行人が写っていれば、顔にモザイクを入れなければいけません。
また、ヨーロッパには旧市街地が世界遺産に指定されているところもありそういうところでは車両の進入ができず、大きなカメラを常に持ち歩かなければなりません。
また、それが原因でAさんとハンガリー人の社員、特に映像業界での仕事暦が長かったカメラマンとの間でしばしば意見の相違が起こるようになりました。
その結果、業績はあがっていたもののリスクが大きすぎるということで撤退することになりました。
ハンガリーで起業することは大変か?
ハンガリーにはスズキなどの日本の企業がそこそこ進出しており、最近では日本人が経営する日本料理店も増えてきました。
では、ハンガリーで起業することは大変なのでしょうか?
Aさんが言っていたハンガリーでの起業に対する最大のネックは「税金の高さ」でした。ハンガリーで起業する場合は、国に収めなければならない税金がヨーロッパのほかの国よりもかなり高いらしく、それが原因でハンガリーでの起業をかなり悩んだそうです。
また、これは海外で起業する場合、全ての国に対して言えることですが起業に際して必要な書類集めや記入、提出は自分でしなければなりません。
代行してくれる会社はありますが、高額な費用がかかります。
また、Aさんのように英語もできないと日本語スピーカーがいない代行会社しかない場合は通訳者を雇わなければならないのでさらに出費がかさみます。
また、年末調整など会社のお金に関する書類も作成しなければならず、会計会社に頼むとさらに費用がかかります。
(書類のフォーマットは国ごとで違うので代行業者に頼むが無難だとAさんは言っていました)
なので、海外で起業する場合はその前に自分でどこまで出来て、どこからは代行業者などに頼む必要があり、その場合はいくらかかるのかを見積もっておく必要があります。また、起業するフィールドにおけるその国の法律はしっかり把握しておかなければなりません。
起業は日本でも海外でも簡単なことではありませんが、不可能なことではありません。しっかりと準備をすればいい結果がついてくると思います。