流暢な関西弁混じりの日本語を話すウクライナ人の先生との週1回のマンツーマンレッスンは順調にいっていた。
僕のロシア語はメキメキと上達し、ある程度の会話ならできるようになったいた。
そんな僕をみた先生がロシア語検定5級の受験を勧めてくれた。
また、来年から正規のロシア語の授業への編入も勧めてくれた。
僕の学部では自分が専攻する言語以外の言語の授業に出ることは(理由はわからないが)NGだった。なので、僕の場合はフランス語以外の授業に出ることはダメだった。
しかし、先生は自分の授業であれば単位はでないが特別に聴講させてくれると言ってくれた。
ありがたい限りである。
僕は真剣にロシア語検定の受験を考え始めた。
その矢先、僕にとっては嬉しいもののロシア語学習にとっては悩みの種になる出来事が起こった。
フランスへの留学が決まったのである。
それが意味することはただ1つ。
フランスの大学の授業についていけるようにフランス語力を今まで以上にあげなければならない。ロシア語を続ければフランス語を練習するための時間が削られてしまう。
ロシア語検定への時間なんてとてもじゃないが割くことができない。
僕は先生に相談し1つの決断を下した。
それはロシア語検定は受けず、マンツーマンレッスンのスピードを少し遅くするということだった。
せっかくロシア語を半年近くやって、それなりに話せるようになったので少しでもロシア語力をキープしたかった。
そんなわけで、留学までの半年間はフランス語とロシア語を並行して練習した。
そして、留学前の最後のレッスンが終わった。
マンツーマンレッスンをお願いしてから1年間。僕のロシア語は最初とは比べ物にならないほど向上した!
最初は四苦八苦していたキリル文字もすらすらと読めるようになった。しかし、留学中にロシア語にふれる機会があるのかわからなかった。
3年の前期が終わり、8月になり夏休みが始まった。僕は9月に出発する。1か月間、フランス語とロシア語を並行して練習しつづけた。
そして、9月僕はフランスに飛び立った。