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ハンガリーの会社に対する愚痴

 

僕は海外就職相談所というものをはじめ、今まで海外で働くことに興味ある人の相談に乗ってきたわけだが、海外就職を積極的に推奨しているわけではない。

 

もちろん、海外で働くことに興味ある人がいれば相談に乗るが、そうではない人に「海外で働きなよ!」などということは一切ない。

 

よく、日本にはブラック企業が多いとか日本の働き方は時代遅れだなどという人が多い。日本での就業経験はバイトしかなく、全てのバイト先が非常にいいところだったのでそういう実感はないのだが、おそらく正社員になると見えてくるものも違うのだろう。

 

ただ、全ての企業がブラックだとも思わない。日本には数多くの企業があり、そのうちの数社、とりわけ大企業がブラックだとそれをメディアなどが大きく取り上げ騒ぐので日本の全企業=ブラックというイメージができてしまうのだと思う。

 

それから、「海外では有休を簡単に習得できて、体調が悪いときは問題なく休めて、残業もないから日本よりも海外で働くべきだ」という人がいる。確かに、僕が今働いている会社では基本的に好きなときに有休を取得でき、体調が悪いときは会社を休め、しかも日給の70%までもらえる。また、残業もほとんどない。もし会社の都合で残業した場合は残業した時間分、翌日は働かなくていい。

 

こう聞くとハンガリーはなんて働きやすい国なんだろうと思うだろう。確かに、この制度は非常に魅力的だ。ただ、ハンガリーにある全ての企業がそういうわけではない。中には残業が多く、「会社の都合で残業した場合は残業した時間分、翌日は働かなくていい」という制度があるにもかかわらず守られていないというところもある。結局、日本だろうが海外だろうが社員のことをしっかり考えてくれる会社もあればそうでない会社もある。

 

そういうと、僕が働いているところはとてもいい会社だと思うかもしれないが、もちろん好きではない部分もある。

 

僕の仕事はわかりやすく言うとコールセンターなので、いかに多くの電話を取れるかが重要になる。例えば、15件電話がかかってきたら、15件対応しなければならない。もし、半分しか対応できなければそれは非常にまずい。マネージャーは毎日「全ての電話に対応しろ」と口をすっぱくして言ってくる。

 

ただ、働いている側からすればそれはあくまでも全て対応できる環境をマネージャーが整えてからはじめていえることだ。

 

どういうことかというと、僕の会社は人材が不足している。

 

所属しているフランス語チームで言えば、正社員は僕を含め2人で、バイトが1人。しかも、もう1人の正社員の子は来月で辞める。つまり、来月からは2人になる。それに対して、フランス語対応のカスタマーの数は変わらない。なので、今まで3人で対応していたものを2人で対応しなければいけないということだ。それには無理がある。

 

にもかかわらず、上は「全ての電話に対応しろ」と言ってくる。現場をわかっていない。

 

さすがに、社員からクレームが殺到したのか、マネージャーがある対応策を発表した。あまり電話がこない言語を担当している社員が別の言語のカスタマーを英語で対応するというものだ。

 

例えば、フランス語対応を選択したカスタマーがフランス語対応デスクに電話したものの、フランス語対応オペレーターが全員別のカスタマーに対応している場合、彼らが英語で対応する。

 

これにより、人材不足の問題はわずかに解消されたが、カスタマー側からすれば恐ろしいだろう。例えば、僕が日本語対応を希望し電話したら「英語で対応します」といわれるのと同じことだ。

 

そもそも、なぜ人材が不足しているのだろう。

 

ハンガリーは通貨にフォリントというユーロの2分の1の価値しかないものを採用している。要するに、人件費が安い。なので、企業がヨーロッパに在住の人向けのカスタマーサポート部門を作る場合はハンガリーで作ったほうが安上がりだ。よって、ハンガリーには多くのカスタマーサポートの仕事が存在する。

 

そうなると、働く側としては給料が高いほうを選ぶ。残念ながら、僕の会社の給料は他と比べるとかなり低かった。今年の頭に給料をあげたが、時すでに遅しで多くの人材が給料の高い企業に転職していった。

 

ハンガリーで例えばフランス語話者を見つけるとすると大変だ。まずフランス人でフランスよりも給料の低いハンガリーで働いているひとなんて見つけることはほぼ不可能だ。ベルギー人も同様。そうなると、フランスの旧植民地だったアフリカの国の人たちを雇うことになる。なので、僕の同僚にはアルジェリア人やチュニジア人が多い。

 

 

とまあ、僕の会社の事情はこんな感じだ。

 

全ての企業にいいところと悪いところがあるので、自分に最適な会社を見つけることが重要だ。

 

 

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