ハンガリーから発信中

世の中はおもしろい出来事であふれている

2022年9月5日から2022年9月11日までのウクライナ情勢

2022/9/5 (侵攻193日目)
・ロシアが制圧を宣言したヘルソン州に設置した統治機関「軍民行政府」幹部のストレモウソフ氏は、「現状を考慮した」として、同州の露編入を問う「住民投票」の実施の準備を一時停止すると発表した。

・ザポロジエ原発を巡り、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは、露軍の砲撃により同原発で唯一稼働中の原子炉6号機が外部の送電網から切り離されたと発表した。

・ジョンソン英首相は、6日の退任を前にゼレンスキー大統領と電話会談した。首相官邸が明らかにした。「共に働き、支えることができて光栄だった」とゼレンスキー氏の指導力と友情に感謝を示し、英国が支援を継続する方針を伝えたという。

・バイデン米大統領は、ロシアについて、米政府としてテロ支援国家に指定すべきではないとの考えを示した。上院は7月、ロシアのテロ支援国家指定をブリンケン国務長官に求めることを全会一致で決議した。ウクライナのゼレンスキー大統領もバイデン氏に要請していた。

・ロシア軍は、ウクライナ東部ハリコフ州の村を砲撃、地元検察によると、2人が死亡した。南部クリブイリフではミサイル攻撃で石油貯蔵施設を破壊した。

ウクライナ軍は東部ドネツククラマトルスクでロシア側の拠点を破壊し、攻勢に出たと発表した。

プーチン露大統領は、ウクライナ侵略の軍事作戦に参加する志願兵の待遇を改善する方針を示した。侵略が長期化する中、課題となっている兵員確保につなげる狙いとみられる。

 

2022/9/6 (侵攻194日目)

・ザポロジエ州に一方的に設置した「軍民行政府」幹部ロゴフ氏は、ザポロジエ原発で唯一稼働中の6号機の出力が13万5千キロワットまで大幅に低下したと表明した。原発職員らが住むエネルゴダール市では停電と断水が起きた。

・英国防省は、ロシア軍が戦闘で無人機を失い、制裁下で在庫の維持も困難になっている可能性があるとの分析を発表した。無人機による偵察能力が低下し、作戦が妨げられているもようだと指摘した。

ウクライナ軍は、ロシアの侵攻以来、戦闘でのロシア側死者が5万人を超えたと発表した。

・ロシアのウクライナ侵攻を支持するサイバー攻撃集団「キルネット」が、日本政府のサイトにサイバー攻撃をしかけた。テレグラムに犯行声明が投稿された。大量の通信を送ってサーバーを停止させる「DDoS攻撃」を実行したと宣言した。

・バイデン米政権は、ロシアが北朝鮮から大量の弾薬の調達を打診していることを明らかにした。ロシアはイランから無人機を調達したことも判明している。

 

2022/9/7 (侵攻195日目)

ウクライナ軍のザルジニー総司令官は、クリミア半島のロシア軍航空基地で起きた爆発について、ウクライナがミサイル攻撃したと認めた。クリミア西部の同基地では8月9日に爆発が起き、戦闘爆撃機などの航空戦力が破壊された。ウクライナ側は攻撃を公式に認めていなかった。

・ザポロジエ原発に関するIAEAの報告書は、原発が直面する状況に「重大な懸念」を示した。放射性物質が拡散する兆候は現時点で見当たらないとしたものの「重大な事故が起きかねない」現況を改めて警告した形だ。

・ロシアのシュリギノフ・エネルギー相は、極東ウラジオストクで開かれた国際経済会議「東方経済フォーラム」で、極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」にロシアの天然ガス大手ノバテクが参画するとの見通しを示した。撤退する英石油大手シェルの持ち分を引き継ぐとみられる。

プーチン大統領は、「東方経済フォーラム」の全体会合で演説し、ウクライナ侵攻について「ロシアは軍事行動を始めたのではなく、2014年にウクライナで始まった軍事行動を終わらせようとしている」と述べ、改めて正当化した。

プーチン大統領は、ウクライナから輸出された穀物の大半が欧州に送られ、発展途上国にほとんど届いていないと主張。欧州向けの穀物輸出量に上限を設けるなどの可能性があるとした。

・ショルツ首相は、ゼレンスキー大統領と電話会談し、ウクライナへの軍事、政治、財政、人道面での支援継続を約束した。ドイツ政府はウクライナの復興を支援する国際会議を10月25日にベルリンで開く計画で、両首脳は会議に向けた調整を進めた。ドイツ政府が発表した。

ウクライナ軍は、東部ハリコフ州ラクレヤ周辺の集落ノバヤ・グサロフカを露軍から奪還したとする動画を公開した。

・国連安保理は、ウクライナ侵攻をめぐる公開会合を開いた。ケリス人権担当事務次長補が出席し、露軍や親露派勢力が占領地でウクライナ住民に対して「ろ過作戦」と呼ばれる尋問を行い、「軍や政府の関係者、反露的なウクライナ住民が拘束されたり、拷問されたり、消息不明になっている」と報告した。

 

2022/9/8 (侵攻196日目)

ウクライナ参謀本部のグロモフ准将は、ロシアによる侵略に対し、東部ハリコフ州で前線を約50キロ押し戻し、20カ所以上の集落を露軍から奪還したと発表した。東部ドネツク州の中心都市スラビャンスク方面でも要衝の集落オゼルノエを奪還したとした。

・ブリンケン国務長官は、ウクライナの首都キーウを訪れ、ウクライナや東欧など周辺18カ国の安全を強化するため約22億ドルの長期的な資金支援を行うと明らかにした。

ウクライナの国際支援に向けた関係国会合が、ラムシュタイン米空軍基地で開かれ、オースティン国防長官は米国が約970億円の追加軍事支援を行うと発表した。会合は5回目で、約50カ国が参加した。米国防総省によると、追加支援には「ハイマース」、155ミリ榴弾砲、高機動装輪車両100両などが含まれる。

 

2022/9/9 (侵攻197日目)

IAEAのグロッシ事務局長は、ロシア軍が占拠する南部ザポロジエ原発周辺で砲撃が続いているとし、状況は「深刻だ」とする声明を発表した。「原子力事故のリスクが著しく高まっている」と訴え、砲撃の即時停止を要求。原発周辺を安全管理区域に指定する必要性を強調した。

EUは、ロシアへの制裁の一環として、ロシア人観光客の域内への受け入れを事実上制限することを正式に決定した。ロシア人のビザ取得で優遇措置を12日から停止。ビザ申請料金が35ユーロから80ユーロに引き上げられるほか、提出書類が増え、発給まで時間がかかる。

・ゼレンスキー大統領はビデオ声明で、東部ハリコフ州で30カ所以上の集落を露軍から奪還したと発表した。

・米シンクタンク「戦争研究所」は、ウクライナ軍が最近、同州内で約2500平方キロメートルの領土を奪還したとする分析を公表。ウクライナ軍は既にクピャンスク郊外まで達していると指摘し、ウクライナ軍が前進を続け、「今後数日間でイジュム周辺の露軍は孤立する可能性が高い」とした。

 

2022/9/10 (侵攻198日目)

・英国防省は、「露軍はウクライナ軍の反攻に衝撃を受けている」と指摘。ウクライナ軍がハリコフ州の複数の都市を包囲し、州の重要都市イジュム周辺で露軍を孤立させているほか、クピャンスクも奪還する可能性があるとの見方を示していた。

・露国防省は、東部ハリコフ州の重要都市イジュムとバラクレヤ方面に展開していた露軍部隊を、主目標とするドネツク州に差し向ける「再編成」を行うと発表した。事実上、同州からの撤退を表明した可能性がある。

ルガンスク州のガイダイ知事は、7月上旬に露軍に占拠された同州の重要都市リシチャンスク付近までウクライナ軍が到達したと発表。今後、ルガンスク州でも反攻作戦が行われる可能性を示唆した。

 

2022/9/11 (侵攻199日目)

ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトムは、唯一稼働中だったザポロジエ原発の原子炉6号機を外部の送電網から切り離し、冷温停止状態にする作業を開始したと発表した。同原発からの同国内への電力供給が完全に停止する見通し。一方、重大事故が起きる恐れも低下する。

・ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は、プーチン政権が、ウクライナ東部ドンバス地域の親ロ派実効支配地や、ロシア軍が制圧した南部ザポロジエ、ヘルソン両州などでのロシア編入を視野に入れた住民投票実施を無期限に延期したと伝えた。大統領府に近い複数の消息筋の話としている。

・ロシア大統領府は、プーチン大統領がフランスのマクロン大統領と電話会談し、ウクライナ南部のザポロジエ原発の安全確保について、IAEAも交え、政治的思惑を排して協力する用意があるとの立場で一致したと発表した。

ウクライナ軍は東部ハリコフ州で反攻を強め、ゼレンスキー大統領は、要衝のイジュムを奪還したと宣言した。イジュムはロシア軍の補給路となっており、戦略上、大きな戦果となった。ウクライナ高官は、ロシア軍が報復として、同州の火力発電所を同日ミサイルで攻撃したと発表した。

・ロシアで、州や共和国など連邦構成体(自治体)の首長や地方議員を選ぶ統一地方選が行われた。首長選が行われた14の連邦構成体全てで政権与党「統一ロシア」や親政権派の候補の勝利が確実となり、プーチン政権は多数の国民から支持されているとのアピールに成功した形だ。

・米シンクタンク「戦争研究所」は、露軍事ブロガーの間で作戦失敗への批判が強まっていると指摘。侵攻に部隊を派遣している露南部チェチェン共和国のカディロフ首長も作戦の破綻に言及するなど、政権側の情報統制には限界も見え始めた。

*情報ソースは産経新聞共同通信などの主要メディア