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2022年9月19日から2022年9月25日までのウクライナ情勢

2022/9/19 (侵攻207日目)

ウクライナ原子力企業エネルゴアトムは、南部ミコライウ州の南ウクライナ原発が同日未明、ロシア軍にミサイルで攻撃されたと発表した。原子炉から300メートルの敷地内に着弾、大きな爆発が起きたとし、「ロシア軍は核テロで世界全体を脅した」と非難した。通常運転を続けており、職員に負傷者はいなかったとした。

・ロシアが制圧を宣言している東部ルガンスク州のガイダイ知事は、ウクライナ軍が同州の主要都市リシチャンスク西方約10キロの集落ベロゴロフカを露軍から奪還したと発表した。

・ドンバスの主要部を実効支配する親露派武装勢力ドネツク民共和国」と「ルガンスク人民共和国」(ともに自称)の「大統領府」の諮問機関は、「両国」でロシア編入の是非を問う「住民投票」を早期実施するようそれぞれの首長に勧告した。これを受け、両国の首長が電話会談し、住民投票の実施へ協力することを確認した。

ウクライナ東部ルガンスク州の親ロシア派「ルガンスク人民共和国」の裁判所は、欧州安保協力機構のウクライナ特別監視団のメンバーとして働いていた2人に禁錮13年を言い渡した。

・米国防総省高官は、ウクライナがロシアから東部ハリコフ州などを奪還したことで「露軍は戦略的な目標に失敗している」と述べ、今月中旬までの東部ドネツク州の制圧を目指したプーチン大統領の目的は達成できなかったと述べた。

 

2022/9/20 (侵攻208日目)

東邦ガスは、「サハリン2」を巡り、ロシアが設立した新たな運営会社と液化天然ガスの調達を継続する契約を結んだと明らかにした。東邦ガスは旧運営会社との間で、2033年まで年間約50万トンを調達する契約を結んでおり、新会社との契約条件も変更はないという。

・中国税関総署が公表した8月の貿易データによると、ロシアからの液化天然ガス輸入額は前年同月比で約2.7倍の7億5千万ドル(約1千億円)に上った。ウクライナ侵攻後で最高額を更新した。パイプラインを通じた天然ガスや、原油の輸入額も増えており、欧米などから経済制裁を受けるロシアの中国依存が進んでいる。輸入量で見ると、約1.4倍となった。天然ガスの輸入額は、約2.7倍の4億937万ドルとなり、やはり侵攻後で最高となった。数量は公表していない。ロシアからの原油の輸入額は約1.6倍となったものの、金額、数量ともにサウジアラビアがロシアを上回った。

ウクライナで、東部の主要部を実効支配する親露派武装勢力と、露軍が南部2州の占領地域に設置した「軍民行政府」は、ロシアへの編入の是非を問う「住民投票」を23~27日にそれぞれ行うと発表した。

ウクライナのクレバ外相は、「わが国には領土を解放する権利があり、ロシアが何をいおうと領土を解放し続ける」とツイッターで表明した。ロシアが住民投票を口実に支配地域を「併合」しても、反攻作戦を続ける意思を示した形。

・「住民投票」の決定について、欧州連合のボレル外交安全保障上級代表は、「露指導部や関係者の全員が責任を問われる」とし、「追加の対露制裁措置が検討される」と述べた。米国やカナダ、フランスもロシアを非難した。

・メドベージェフ露国家安全保障会議副議長は、住民投票後の占領地域の併合を念頭に「露領土が侵害された場合、ロシアは全ての自己防衛手段を使用できる」と指摘。

・露下院は、自発的に敵に投降した兵士らへの罰則を現行の最長禁錮7年から同10年に引き上げる法改正案を可決。法改正案は、兵士が正当な理由なく部隊などの持ち場を放棄した場合は同10年、上官の命令に反抗した場合は同15年と定めた。露上院も21日に法改正案を可決し、プーチン氏の署名を経て近く改正法が施行される見通し。

 

2022/9/21 (侵攻208日目)

プーチン大統領は、ウクライナでの軍事作戦に関してテレビ演説し、「部分的動員」を可能にする大統領令に署名したと発表した。対象は軍務経験のある予備役に限られるとしている。ショイグ国防相は同日、動員の対象となるのは30万人規模だと説明した。

・部分動員令を出したことをきっかけに、ウクライナ侵攻や動員令に抗議するデモがロシア各地に広がった。人権団体「OVDインフォ」によると同日1300人以上が当局に拘束された。

・米シンクタンク、戦争研究所は、プーチン大統領が署名した部分動員令は今後数カ月間の戦況に影響を与えないとの分析を発表した。冬にかけてのウクライナ軍による占領地奪還にも影響しないとした。

プーチン氏は「領土保全が脅かされればあらゆる手段を講じる」と述べ、核兵器の使用を辞さない姿勢を示した。

・ショイグ国防相は、露軍の死者が5937人になったとし、3月発表の1351人から人数を更新した。米英当局は、露軍に1万5000~2万人の死者が出ていると推計している。

穀物価格が上昇し食料危機が深刻化している問題で、米国は新たに29億ドル(約4200億円)規模の支援策を実施すると発表した。

・ロシアは215人のウクライナ人を、ウクライナは約55人のロシア人や親露派ウクライナ人をそれぞれ相手に引き渡した。米国人や英国人など外国人10人も含まれているという。捕虜交換を仲介したのはトルコ、サウジアラビアとみられる。

・ゼレンスキー大統領は、国連総会でビデオ演説し、ロシアの侵攻を受けて「ウクライナは、自衛のために戦うことを余儀なくされた。ロシアは世界で唯一、戦争を望んでいる国だ」と訴え、平和を回復するためには「ロシアの犯罪行為を処罰することが前提条件になる」と強調した。同氏はまた、ロシアの侵略に対抗し平和を導く「5つの打開策」があると表明し、「ロシアの侵略を処罰し、ウクライナの国民を保護し、ウクライナの領土を回復し、ウクライナの安全の保障を確約し、(侵略に対する)自衛の決意を持つことだ」と強調した。

 

2022/9/22 (侵攻209日目)

北朝鮮国防省は、ロシアが北朝鮮に大量の弾薬輸出を打診している、と米国が明らかにしたことについて「われわれはロシアに武器や弾薬を輸出したことがなく、今後もそのような計画がない」と否定した。同省装備総局副総局長の談話として、朝鮮中央通信が伝えた。

・ゼレンスキー大統領は動画声明で、プーチン大統領が出した部分動員令について、反転攻勢に転じたウクライナ軍の強さに「ロシア正規軍が耐えきれず崩壊したことを認めたものだ」とし、全土奪還に向け戦い続ける方針は不変だと宣言した。

・国連安全保障理事会は、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり閣僚級会合を開いた。会合では、プーチン露政権が30万人規模の予備役を動員し、占領下のウクライナ4州で露編入を問う「住民投票」を行うと発表したことや、ロシアが核兵器の使用を示唆したことへの非難が続出した。

 

2022/9/23 (侵攻210日目)

ウクライナに侵攻したロシアが支配する地域で、ロシアへの編入の賛否を問う「住民投票」が27日までの日程で始まった。一部地域では暫定開票結果が同日中にも発表される見通し。

・露編入の賛否を問う「住民投票」は、有権者の自宅に選挙管理委員が訪れ、投票させる方式が導入された。ロシアの統治を嫌って支配地域から退避した住民には投票の機会がない地域もある。集計不正が起きても証明は困難だ。投票は、高投票率と圧倒的多数の賛成という「民意」を演出するための形式的な手続きに過ぎない。

トヨタ自動車は、ロシア北西部サンクトペテルブルクの工場を閉鎖すると発表した。ロシアによるウクライナ侵攻開始後の今年3月4日から部品の調達難を理由に工場の稼働を停止していた。半年が経過しても生産再開の可能性が見いだせず閉鎖を決断した。

ウクライナ東部ハルキウ州のオレグ・シネグボウ州知事は、ウクライナ軍がロシア軍から奪還した同州イジューム郊外の集団墓地から遺体436体が掘り起こされ、うち30体に「拷問の痕」があったと発表した。首にロープをかけられたり、手を縛られたり、腕や脚を折られたり、銃で撃たれたりした遺体があった他、複数の男性が「性器を切断されていた」とし、「侵略軍がイジュームの住民を恐ろしい拷問にかけた証拠だ」と指摘した。

・国連人権理事会で、ウクライナでの人権侵害状況を巡る人権理の調査委員会が活動経過を報告し「ウクライナ戦争犯罪が起きたとの結論に達した」と、ロシア側の行為を厳しく批判した。調査委は、人口密集地への攻撃を受け、ウクライナ人の約3分の1が自宅から避難せざるをえなくなったと指摘。クラスター弾やロケット弾も多用され、民間人と戦闘員を区別しない無差別攻撃が横行しているとした。現地では処刑や拷問、虐待が横行。電気ショックや殴打などの暴行を受け、裸でいることを強制されるなどの不適切な処遇を受けた人もいた。ロシア兵による性的暴行も確認され、被害者の年齢は4~82歳で、親類の目の前で性的暴行を受けた被害者もいるという。

ウクライナ外務省は、ロシアによる攻撃にイラン製武器が使われているとして、イランの駐ウクライナ大使の承認を取り消すと発表した。

・G7首脳は、ウクライナ東・南部の一部を支配する親ロシア派がロシア編入に向け強行した「住民投票」について「ウクライナの領土に変更を加える口実として利用しようとしている偽りの住民投票を強く非難する」との声明を発表した。「法的効力も正当性もない」と断じ、決して容認しないと強調した。

 

2022/9/24 (侵攻211日目)

・部分動員令に対する抗議デモが、モスクワやサンクトペテルブルクなど各地で行われた。人権団体「OVDインフォ」によると、治安当局は計33都市で計800人超が治安当局に拘束された。

プーチン露大統領は、紛争状態下で「自発的な降伏」をした兵士らに最長禁錮10年、「脱走」した兵士には同15年などとする罰則を盛り込んだ改正刑法案に署名し、成立させた。また、露軍と1年間以上の契約を結んだ外国人に、露市民権の付与を簡素化する法改正案にも署名。

・ラブロフ外相は、国連総会出席のため訪問中の米ニューヨークで記者会見し、ロシアが制圧するウクライナ東部や南部で親ロシア派が強行した「住民投票」の結果、ロシア編入が決まれば「国家の完全な保護下に入る」と表明し、核兵器使用の可能性を含む軍事ドクトリンが適用されるとの認識を示した。ウクライナ編入地域を攻撃した場合、核兵器での反撃があり得ると認めた。

・中国とインドの外相が、ニューヨークの国連総会で演説した。ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、インドは途上国を牽引する立場から食料危機やインフレなどの影響に懸念を示し、ロシアへの不快感を表明。中国も戦闘長期化に懸念をにじませた。

 

2022/9/25 (侵攻212日目)

・ロシア南部ダゲスタン共和国の集落で、部分動員に抗議するデモが起きた。通信アプリに投稿された映像などによると、デモ参加者は国道を封鎖し、息子や夫らの動員に反発する女性も多く加わった。警察官は威嚇射撃した。

・独立系メディア「メドゥーザ」は、ロシア編入に向けた「住民投票」が強行されているウクライナ東部ドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)や南部ザポロジエ、ヘルソン両州で動員の対象年齢の男性に対し、ロシアが投票終了後の28日をめどに地域外への移動を禁じる措置を検討していると報じた。

 

*情報ソースは産経新聞共同通信などの主要メディア