オンデーズというメガネチェーン店を運営する株式会社オンデーズが注目を集めている。
もともとメガネ業界では注目を集めていた企業のようだが、昨年出たこの本によりメガネに普段は関心のない人も含め多くの人がオンデーズを知るようになった。僕もこの本でオンデーズを知った。
本が面白かったこともあり、オンデーズに興味を持った僕は調べてみると、本ではアジアの様々な国に出店したことが書かれていたが、ヨーロッパやオセアニアにも出店していることがわかった。
現在、ヨーロッパに住んでいる僕はヨーロッパでの起業に興味があったのでオランダに出店しているオンデーズがどのような経営戦略をとっているのかなど知りたくなり、調べたが情報はほとんどなかった。そこで、オンデーズオランダに直接メールを送ったが残念ながら返信はなかった。
新しい年を迎え、再びオンデーズのサイトを開くと衝撃の事実を知ることになった。なんとオンデーズがオランダから撤退していたのだった。
僕は撤退の理由を調べようとしたがオンデーズのサイトからは発見できず、ネットのニュースにもなっていなかった。そこでオンデーズの田中社長のTwitterのツイートにリプを送ったが、いいねされただけで返信はなかった。また、オンデーズのサイトのチャットから撤退の理由を聞こうとしたが、答えられないといわれた。
要するに、オンデーズがオランダから撤退した理由は一切公表もされていなければ漏れてもいないということである。そこで、僕がオンデーズのオランダ撤退の理由を考えてみることにした。
1、身体の構造の違い問題?
アジア人とヨーロッパ人では骨格など身体の構造に違いがある。
長年、日本のアパレル企業が海外では成功できなかった理由がここにある。ユニクロはこの身体の構造の違い問題を克服してヨーロッパで成功しているが、ユニクロ以外で海外で成功している日本のアパレルブランドは皆無だろう。
顔の作りも同じで、アジア人とヨーロッパ人の顔のつくりは異なる。オンデーズがアジアで成功できたのは日本人と他のアジアの国のひとたちの顔のつくりが比較的にているから日本のメガネがフィットし、ヒットしたと思う。
他方で、アジア人とヨーロッパ人の顔の作りは大きく異なるので日本のメガネはそれをヨーロッパの人用に改良したとしてもあまりフィットしなかったのではないだろうか。
2、サービスの問題?
オンデーズがオランダに出店した際に示した事業展開のプランである。
日本のオンデーズと同じ質の高いサービスを提供している。
僕は以前、ハンガリーでメガネを買った。
レンズ代は追加で取られ、引渡しも1週間後だった。
また、種類もあまり多くなかった。
なので、これらのサービスはオランダでも大きな注目を集めたことだろう。
ただ、人間というのは初めて経験するものには恐怖心や抵抗感を抱く。例えば、最短20分で引渡しというサービスが「20分で引渡しなんて、きっと適当に作ってるに違いない」など抵抗感から勘違いされてしまう可能性もある。
オンデーズのヨーロッパではあまりなじみのないサービスの数々が先を行き過ぎていて逆に客足を遠ざけてしまった可能性はある。
3、会社の方針転換?
現在、日本はもちろんアジアを中心に海外にも多くの店舗を出店しているオンデーズ。
田中社長はインタビューで「今後、5年間で海外の店舗数を300店舗にしたい」と語っている。
しかしながら、店舗の場所をあまりに広げすぎてしまうと手が回らなくなってしまう。田中社長が直接現地の店舗に行き、指導したり経営状態を見る機会も減ってしまうだろう。
そこで、海外店舗を増やすとはいうものの、それは全世界という意味ではなく近場であるアジアやオセアニアの国にさらに店舗を増やすという意味ではないだろうか。
アジアやオセアニアに店舗を増やすとなるとオランダの店舗まで手が回らなくなってしまうので敢えて店をたたんだ可能性もある。
4、不動産業者との関係?
以前、ハンガリーには日本人が経営するカラオケ店があった。
しかし、場所を貸してくれていた大家さんとの関係が悪く、また再三家賃の値上げを要求されていて、やむなく撤退したという話を聞いた。
オンデーズオランダも同様に経営はうまくいっていたが、店舗を貸していた人との関係が悪くなり撤退せざるを得なかった可能性はある。
以上の4点が僕が考えたオンデーズのオランダ撤退の理由である。
追記)
この記事を書いた後になんと田中社長本人から返信をいただけた。
1、ヨーロッパ仕様に商品を作り直すことに対してコストがかかりすぎる
2、メガネに対するとらえ方の違い
3、拡大路線の変更
ということで1と3は僕が挙げた理由の1と3とほぼ同じだった。
メガネに対する認識の違いも実は考えたが、オランダにも少なからずおしゃれなメガネがあったので理由から外してしまった。